「武造とマツの物語(新)」

【小説】 身体障害者に理解がない時代にマツは、幼少のとき親同士で決め

た「ろうあ者」との結婚のため養女にいく。偏見や逆境に遭いながらも前向きに生きていく。



2008年02月27日

第17話 雪のおにぎり

  マツを着せ替え人形のようにして、着物を着せていた武造はWチョウチョWの形に紐を結ぶことが出来て上機嫌です!!

  そこへ、耳が聞こえない武造の家にマツが一緒に住むようになった!!ということで、村の子供たちも興味津々で武造の家に遊びに来ました。

  《雪もかなり消え、ただ日陰に残っているだけになっていました》

  マツが、村の子供たちが来たことに気づき、武造と一緒に外に出ました。

  庭にある大きな「くるみの木」の下は日陰になっているので、雪がまだ残っています。

  子供たちは、そこに残っている雪で遊び始めました!!

  マツが雪で「おにぎり」を作り始めました。

  武造は、マツの側でマツより大きな「おにぎり」を作ってマツに渡します!マツが喜ぶと武造はまた大きな「おにぎり」を作ります。

  村の子供たちの中に吾介がいました。吾介(吾一の息子)はマツと同じ年齢でした。

  吾介は、雪で馬の形を作りそれをマツにあげます。

  ちゃんと馬の形になっていました。

 吾介 :{オラの家の馬だー}

  マツは吾介が作った馬が気に入ります!!

 マツ :{雪の馬や!!白い馬ええなー}

  武造は、マツがその馬を気に入り、馬に「おにぎり」を食べさせるようにして遊び始めたのを見て自分も馬を作り始めました。

  しかも、吾介より大きいのを造ろうとしました。

  何とか馬の形になってきましたが、雪をかき集めて作ったので、
ところどころ茶色く土が混ざってしまいました。

 武造は、その茶色のまだらになった馬をマツにあげようとします。

 マツ :{こっちの白い馬の方がええー}

  武造にはそれが聞こえませんから、マツの「おにぎり」の側に置いたんです!!

  そしたら吾介は、武造が作ったまだらな馬をどけてしまいました。

  武造は、自分が作った馬がどかされたので気分良くありません。

でも、ずっと雪を触っていたので手が冷たくて赤くなってきました。

  そして、家の中にマツの手を引いて入ろうとします。

 吾介 :{もう遊ぶのやめるんだかー?}

 マツ :{白い馬、木の下に置いててけろ!!}
 
  武造とマツが家の中に入った頃、関衛門とヨネはマツの小学校への入学のことを話していました。



  そろそろマツも小学一年生です!!

  武造はマツと一緒に学校に行けるようになることをとても喜びます。

  マツが学校に行く日になりました!!
  
  武造はどのようにマツを世話するのでしょうか?
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2008年02月19日

第16話 マツは着せ替え人形?

  「耳が聞こえない人がいる家」という偏見を持った明治時代に、マツの実の両親は娘の養女に関して村人たちに何とか説明することができました。

  お兄とお姉は、マツが気になり関衛門の家に見に行きます。

  関衛門とヨネは、囲炉裏でお茶を飲んでいたところでしたので、一緒にお茶を飲むように言われ家の中に入ります。

  ヨネが「ふきのとう」を採ってきてありました。


 「ふきのとう」の味噌あえを食べながら、ヨネはマツがよく眠れてること、ご飯をおかわりして食べてることなど話します。

  お兄とお姉は、そのことを聞いて安心します。

  そして、マツが何処にいるかと辺りを見回しました。

  マツは、武造と一緒にヨネたちの部屋にいて「着物」を辺り一面に出していました。

  二人は、何をしてるのでしょうか・・・?

  お兄とお姉が、“こっそり”覗いてみると・・武造とマツがしてること・・・というより、武造がしてることを見て笑います!!

  ナント、武造がマツに「着物」を着せて喜んでたんです!!

  武造が、着物の紐を結ぶとマツはその結び方が気に入りません。

 マツ :{紐の結び方はそうじゃないべー} 

  もちろん耳が聞こえない武造には、マツが話すことは聞こえません。ただ自分が思ったように紐を結ぼうとします。

 マツ :{違うって言ってるべー、チョウチョになるように右左同じようにW輪っかWを作
      ってけろ!!}


     
  耳が聞こえない武造は、マツの言ってることも聞こえませんからW輪っかWを作ることが出来ません。

  それを見ていたお姉が、教えにいこうとしましたがお兄が止めます。

  マツは武造が自分の言ってることが聞こえないので、武造が結んだ下手な結び目を解き、自分でW輪っかWを作って結ぼうとします。

  武造は、マツの結び方を“じっ”と見てます!!

  武造は、マツが結んだ“チョウチョの形”を見てとても喜び、それを解いてしまいます。

 マツ :{何すんだべー!せっかくオラが綺麗にチョウチョの形に結んだのに何で解く
      だべ!}


      
  武造は、もう一度結びます!!

  覚えの良い武造は、マツがしたように右左同じようにW輪っかWを作ってチョウチョの形に結ぶことが出来たんです!!

  武造は嬉しくなり、マツに着せた「着物」を脱がせて、今度は別の「着物」を着せて同じように紐を“チョウチョの形”に結んでいきました!!

  うまく出来ると、また別の「着物」を着せて・・というふうに着せ替えていったんです!!

  マツは、まるで「着せ替え人形」のようです。

  お兄とお姉は、その様子を見てマツがこの家で養女としてやっていけると思い、安心して家に帰っていきました。

  そのころ、村の子供たちも耳が聞こえない武造の家にマツが一緒に住むようになったということで興味津々でした。 

  村の子供たちが、武造の家に遊びにきました!!

  耳が聞こえない武造は、村の子供たちと一緒に遊んでるときもマツのことが気になります!!

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2008年02月12日

第15話 マツの養女、村人たちのうわさの中心!

  マツが耳が聞こえない武造の家に養女に行った!ということが、
その村では噂の中心になっていました!!

  当時の明治時代においては、身体に障害がある家にはかなりの偏見がありました。

  しかも、関衛門とヨネは武造の事件の後に、この村に引っ越してきたので村人たちの目からは、よそ者でした。

  村人たちは、お兄とお姉(マツの実の両親)のこの理解しがたい行動の理由をいろいろ詮索していたんです。

  そして、お兄とお姉のところに来て、その真意を聞き出そうとしました。村人で与助という話好きな人が話し始めました。

 与助(村人) :{マツが関衛門の家に養女にいったんだってなー、なんで養女にだし
          ただー?}


 お兄 :{オラたちも、この決定をするのにはとっても悩んだだー、悩んで、考えて決め
      たことだー}


  与助は、疑い深く突っ込んできます!!

 与助 :{関衛門のところには耳が聞こえない武造がおるべー、身体に障害がある家
      に娘っこを養女にだすなんて、考えられねーことだ  ー!!関衛門に金をな
      んぼもらったんだ?}


 お兄 :{金なんかもらってねー、金で可愛い娘を売るようなことはしねー、何てことを
      言うだー、オラたちは、“家系が途絶えてしまうんではねーか”ということで
      心配してる関衛門たちの気持ちを分かってやっただけだずー}


 与助 :{ほんだかー?武造は大事にされて甘やかされてるから体が弱いんだべー、
      いつまで生きるか分からねー、大きくなって結婚する年齢までは生きねーか
      もしれねー、そうなったらどうなる?・・・・もしかしたら、関衛門たちの
      財産を・・・って考えているんでねーかー?}


  側で聞いてたお姉が、与助がもろに財産のことに触れたので、慌てて弁解します。

 お姉 :{何てことを言うだー、関衛門の財産狙いのようなことを言うなんて・・・随分と
      ひでーことを言うもんだず!!}


 与助 :{これはオラの考えだけではねー!!村じゅうがそのように言ってるだー、
      オラは、村の皆が言ってることを代弁しただけだず!!ほんだから、ホントの
      ことを知りてーだー、何で、身体障害者のいる家にマツを養女にやったか話し
      てくれねーかー・・?}


  一緒に来ていた村人たちも、与助が話すたびにうなずき・・・・自分たちも、何故、身体障害者のいる家に娘を養女にだしたか理由を知りたいと言います。

  お姉は、村人たちの偏見を感じ、だんだん苛立ってきました。

 お姉 :{確かに武造は耳が聞こえねーけど悪い子ではねー!!、甘やかされてるけ
      ど素直でいい子だ!!「身体障害者のいる家」って言葉ばかりを使わねーで
      くれねーかー!!}


  お姉の怒りを感じた村人と与助は、少し怯みます・・・・そして、お姉たちの気分を害したことを誤ります。
 

 お兄は、村人たちにある程度は理由を話した方が良いと思い、
自分たちの状況について話し始めました。

 お兄 :{見てのとおり、今はせくせく働いても、食べていくのが厳しい時代だー、オラ
      の家は子供がマツを入れたら5人で毎日が食べていくのがたいへんだー、
      子供たちにご飯腹いっぱい食べさせることもできねー、腹すかせたまま寝ると
      きだってある・・・・
      ほんだから、マツも養女にいけばご飯腹いっぱい食べさせてもらえるだー、
      オラの家も、そうだなー・・・・一人減ったらそれだけ助かるから、口減らしと
      いうことだー・・・}


  村人たちは、それを聞いてお兄たちの状況を理解出来ると口をそろえて言います!!それでも、やはり武造が体が弱いことが気になります!!

 与助 :{武造の体の弱さについてはどう思っているだかー?}

 お兄が返答にまごつき困っていると・・お姉が話し始めます。

 お姉 :{武造がいつまで生きるかは誰にも分からねー、結婚する年齢になるまで生き
      てるかもしれねーし、死んでるかもしれねー・・・そのことは神様しか分からね
      ーではねえか・・・武造が早くに死んでしまったら・・財産はマツが受け継ぐこ
      とになる・・・そのことは関衛門たちも、十分承知のはずだ!!!だから別に
      ええではねーか!!}


  村人たちは、関衛門たちも、十分承知のはずだとのお姉の言葉にそれ以上は言えず・・・・

 与助 :{オメーたちが互いに納得したことなんだなー、よー分かっただー、疑ったりし
      て悪かったなー}


  村人たちが帰った後、お兄とお姉はマツが気になり見に行きます!!そして、武造とマツを見て笑います。

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2008年02月04日

第14話 マツに「ちゃんちゃんこ」を羽織らせる武造 

  マツが関衛門の家に養女に来て、最初の朝ごはんです。

  《空気がまだ冷たく、息が白くなります》

  囲炉裏を囲んで、香ばしく炊けたご飯と味噌汁、そして漬物を食べながらも、武造はマツが気になって仕方ないようです!!

  マツを“ちらちら”と見ながら、ご飯を食べていた武造はマツがご飯をおかわりすると、自分もおかわりします。

  マツは、ご飯をおかわりして食べれることがとても嬉しくて、夢中になって食べています!!

  マツはお腹いっぱいになってきたころ、ようやく周りを見回して武造が、自分を見てることに気づきました。

  そして、耳が聞こえない武造の家で自分は暮らすんだということを実感してきたんです。

  囲炉裏は体の前面は暖かいのですが、背中の方が寒く感じます。

 マツ :{背中が寒いなー}

 ヨネ :{寒かったら、何か羽織ればいいべー}

  武造は、マツが寒そうに“そわそわ”してるのを見ると、何かを思いついたようです。

  ご飯茶碗を置いて立ち上がり、部屋の方に行き何かを持ってきました。「ちゃんちゃんこ」です!!



  しかも、それは関衛門の大きな「ちゃんちゃんこ」でした。

 関衛門 :{武造、何だべー オラの「ちゃんちゃんこ」をどうしただー} 

  関衛門はそれを自分のところに持ってくるものだと思いました。

  ところが武造は、その「ちゃんちゃんこ」をマツのところに持って行き、ナント、マツに羽織らせたんです!!

  もちろん、関衛門の「ちゃんちゃんこ」なのでマツには、“ぶかぶか”で大き過ぎです!!

  ヨネはその様子を見ていて、部屋から自分の「ショール」を持って来ました。

  武造は、その「ショール」を見るとヨネから取って、またもやマツに羽織らせたんです!!

  しかも、「ちゃんちゃんこ」の上にさらに「ショール」までです!!

  男物の「ちゃんちゃんこ」に女物の「橙色のショール」です!!
何とも、おかしな感じです!!

 ヨネ :{武造、マツの髪を梳かしたり「ちゃんちゃんこ」や「ショール」まで羽織らせて、
      まるでマツはお人形のようだなー}


  ヨネが思ったように、武造はマツをお人形のように世話をし始めたんです!!

  このようにして、マツの養女としての生活も和やかに過ぎていくと思ったんですが・・・

  その村では、耳が聞こえない武造の家に、マツが養女にいった!!ということで凄いうわさになっていました!!

  そして、お兄とお姉の家に村人たちが来て、「マツが養女にいった」というこの理解しがたいことで話しを聞こうとします。

  お兄とお姉は、村人たちにどのように説明したのでしょうか?

posted by junko at 17:56 | TrackBack(0) | 武造とマツの物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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