「武造とマツの物語(新)」

【小説】 身体障害者に理解がない時代にマツは、幼少のとき親同士で決め

た「ろうあ者」との結婚のため養女にいく。偏見や逆境に遭いながらも前向きに生きていく。



2009年01月11日

第51話 ファンレター&ラブレター

武造のことが全国新聞に載ってから、数日して下井村の村長が関衛門の家を訪ねてきました。

 村長:{おーい、いるかー?}
関衛門とヨネが玄関に出てみると、風呂敷包みを抱えた村長が立っていました。

 関衛門:{何かあったんだべか?}

村長は風呂敷包みを玄関に置いて、{役場に武造宛ての手紙がたくさん届いたぞ!ほれ!見てみろ!}と言って、風呂敷包みを解いて見せました。

そこには、たくさんの手紙が入っていました。

 関衛門:{何だべ?}

 村長:{この前、武造のことが全国新聞に載ってたべー、その記事を見て感心した人
     たちからの手紙ではねーかー?開けてみてみろ!}


関衛門は、武造を呼び{オメーに手紙が来てるぞ!}と手振りで教えました。

武造は、何のことだかよく分らず、関衛門に読んでみるようにいいます。

差出人のところを見ると、東京埼玉などからの手紙もありました。

「軍事教練で、耳が聞こえないのに皆と一糸乱れずに指揮に従って行動したことに感動した!」ことなどが書かれていました。

女性からの手紙も多くありました。

関衛門は、埼玉県からの女性の手紙を開いて読み始めましたが・・・

関衛門はびっくりしたような顔をして、すぐに読むのを止めました!

 村長:{どうしたんだべ?}

 関衛門:{これ、恋文ではねーかー・・?}

ヨネは驚いて、続きを読むように言いました。

 関衛門:{「武造様、軍事教練のことを新聞で知り、とても感動いたしました!武造様、
      私は、あなたのような人と結婚したいと願っております。私と結婚していただけ
      ないでしょうか。」と書いてある・・・。}


村長とヨネは驚いて、しばらく沈黙してしまいました!

 ヨネ:{それは、結婚の申し出ではねーか!}

そして、関衛門、ヨネ、村長は同時に武造を見ました!

武造は、3人がびっくりした顔をして自分を見るので何が書いてあったのかと思い、手紙を関衛門の手から受け取ります。

武造は、ひらがなは分りませんでしたが、漢字は理解出来ていました。
(漢字には意味があるので理解したのではないかと思われます。)

手紙の差出人は、埼玉の女性であることが分ります。

そして、手紙の内容に目をやると自分の名前と結婚という文字が書かれてあります。

武造は、どういうことかを関衛門にききました。

関衛門は、身振り手振りで、この女性が武造と結婚したがっていることを教えます。

武造はびっくりします!!

武造にとって、生まれて初めてもらったラブレターで、しかもいきなりプロポーズでした!!

posted by junko at 20:56| 武造とマツの物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月04日

第50話 有名になった武造

軍事教練で将校が武造のことで、すっかり感心してから数日のことです。

近所の人が、新聞をかかえて関衛門の家にやってきました。

 近所の人:{お〜い、いるか〜!!武造のことが新聞に載ってるぞー}

大きな声がしたので、関衛門は何だろう?と思い家の中から出て来ました。

 関衛門:{何だべ!?}

新聞をかかえた近所の人は、関衛門に新聞を見せます。

 近所の人:{ここを見てけろ!この前の軍事教練のことが書かれてるんだが、その時
       の武造のことが出てるぞ!}


 関衛門:{どれどれ!見せてみろ!}

関衛門は新聞を読み始めました。

その新聞は、全国新聞で下井村での軍事教練のことが書かれていました。

将校の話では、【軍事教練に武造という「ろうあ者」が一人、訓練に参加してたが、皆と一緒に一糸乱れず指揮どうりに行動したことに非常に感動した!
と述べられていました!!

さらに、将校の話では軍事教練の前に村長から「ろうあ者」が、この中にいることを伝えられていましたが、最後まで「それが、誰なのか」分らなかったと述べられていました。

関衛門は武造を呼び、新聞を見せました。

 関衛門:{武造、オメーのことが全国新聞に載ってるぞ!将校が、オメーにとても感心
       したようだぞ!}


武造は、新聞に目をとめ自分の名前が載っていることが分り、少し嬉しくなりました。

そして、武造はマツのところにいって、新聞を見せます。

マツは、将校が武造を褒めていること、そして、全国的に有名になった武造と結婚することで嬉しくなりました。

この全国新聞に武造のことが載ったことで、武造とマツの結婚話に波乱が生じます。



posted by junko at 18:06| 武造とマツの物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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