「武造とマツの物語(新)」

【小説】 身体障害者に理解がない時代にマツは、幼少のとき親同士で決め

た「ろうあ者」との結婚のため養女にいく。偏見や逆境に遭いながらも前向きに生きていく。



2009年03月30日

第52話 舞い上がる武造

武造は、プローポーズの手紙を“じっ”と見ています。

その手紙を持って離しません。

関衛門たちは、そんな武造を見てよっぽどプロポーズに驚いたのだろうと思います。

マツもそこに来て、武造が埼玉県の女性からプロポーズの手紙を受けとったことを知りましたが、ただのファンレターだと思って気に留めません。

ところが、それから武造の行動が変わってきました。

どこにいるときでも、その手紙を持ち歩いています。

そして、開いては“じっ”とながめています。

表情も“ぽ〜”としています・・・。

そんな武造を見て、関衛門たちは武造がその埼玉の女性に関心を持ち始めたことがわかってきました。

関衛門は、武造からその手紙を取ろうとしますが、武造は渡しません。

ヨネも武造に手紙を渡すように言いますが、武造は決して渡しません。

武造はマツと結婚することになっていて、結婚の準備も進めていたので、家の中では困惑し始めました。

関衛門とヨネは、武造にマツとの結婚のことを話してから、その埼玉からの手紙をまともにうけとったらいけないと言います。

それでも武造は、手紙を離さずに持っています。

そんなある朝、武造が朝ごはんに来ないので部屋に見に行くと武造がいません。

庭にいるのかと思い、外に出てみても武造はどこにもいません。

近所をあたってもいません。

裏山に探しにいっても武造は、見つかりません・・。

どこに行ったのかと探しているところに、近所の人に会います。

近所の人:{オメーんとこの武造が駅の方に向かって歩いとったぞ。どこさ行くんだ
       べー?}


関衛門:{武造が駅に向かっていったんかー?}

関衛門はすぐに、武造が汽車に乗って埼玉にいくつもりだと悟ります。

関衛門とヨネは、慌てて駅に走り出しました。

それを見た近所の人も、どうしたんだろうと思い一緒に走ります。

「ハーハー」息切れしながら駅に着くと、武造が一人でいました。

(武造は、一人で汽車に乗ったことがありません。)

駅の中で座っている武造を関衛門は家に連れて帰ろうとします。

武造は手紙を見せて、自分はこれから埼玉に行くとうったえます。

もちろん、それは関衛門たちからしたら許されることではありません。

どうしても埼玉に行ったらいけないと言い、家に連れ帰りました。

関衛門たちに連れ戻されてくる武造をマツは家の中から見ています。

辛抱強いマツも、徐々に・・。







ラベル:結婚 プロポーズ
posted by junko at 14:37| 武造とマツの物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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