「武造とマツの物語(新)」

【小説】 身体障害者に理解がない時代にマツは、幼少のとき親同士で決め

た「ろうあ者」との結婚のため養女にいく。偏見や逆境に遭いながらも前向きに生きていく。



2009年04月15日

第53話 結婚相手は天使のよう?

埼玉県の女性からプロポーズの手紙を受け取ってからの武造はすっかり舞い上がり、その手紙を肌身離さずに持っていました。

マツはそんな武造を見て、とても不愉快です!!

マツは、耳が聞こえない武造は「自分が結婚してあげないと誰とも結婚できない!」と思い結婚を決意したのです!!

ところが、武造は一度も会ったことがない女性のプロポーズに気を取られてしまったんです!

それでもマツは不愉快ながらも“じっと”我慢していました。


武造とマツのための結婚の準備をしていた関衛門とヨネも武造のことで困ってしまいました。

武造とマツを結婚させなくては・・・関衛門とヨネは結婚式を予定どおりに行うように準備していきました。


関衛門は、武造の気持ちをマツとの結婚に向けようとしますが、武造は指を一本(人差し指)、額の真中にあてて、その指を東京の方に向けます。

武造のその身振りは、「天皇陛下」を意味していました。

(武造にとって、東京にいる「天皇陛下」は、一番位が高く神様のように思っていました。)

そして、大事に持っている手紙を見せて、また、指を一本(人差し指)、額の真中にあてて、その指を東京の方に向けます。

どうやら埼玉は「天皇陛下」のいるところで、そこからこの手紙が来たと言っています。


武造からしたら埼玉のその女性は、「天皇陛下」のそばに住んでいて、まるで天使のように思えたのかも知れません。

そのような人と結婚できたら・・・


さらに、武造はそれによって自分が偉くなるように感じたのかもしれません。

今まで、村人たちからの偏見でつらい思いをしてたので、その女性と結婚することによっていわば、見返してやりたい!という思いもあったのかもしれません。

また、自分は耳が聞こえないけど、「天皇陛下」のそばから妻をめとったということで、村人からの敬意を得たいと思ったのかもしれません。


武造は、再びその手紙を見ながら、指を一本(人差し指)を額にあてて、その指を東京の方に向けました。


武造の気持ちはなかなか冷めません。


マツもそんな武造を見て、だんだん気持ちが揺らいできます・・・。


posted by junko at 15:34| 武造とマツの物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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