「武造とマツの物語(新)」

【小説】 身体障害者に理解がない時代にマツは、幼少のとき親同士で決め

た「ろうあ者」との結婚のため養女にいく。偏見や逆境に遭いながらも前向きに生きていく。



2011年11月18日

純真な目 第115回

棟梁(とうりょう)の声にあわせて、皆が一斉に家を引く・・。

武造も一糸乱れず皆と動作を合わせる・・

作業している武造の顔ははつらつとしていた。


耳が聞こえなくても皆と同じように仕事ができる武造!

そして、喜んで仕事をしている武造!


(オラは・・武造を嫌いではねぇー・・)


「よーし!ここらで一服するどー!」と棟梁の声がする。


武造が、皆と一緒に仕事ができる喜びを感じながらマツのもとに来た。

もやもやとした気持ちのマツの目に武造のはつらつとした顔、純真な目が映る。


武造がマツを見る目はキラキラしていて幸せそうだった!


(武造は、オラを嫌ってはいねぇー・・武造はオラのことを好いてるだー)


マツは、武造の純真な目から自分に対する気持ちを読み取った。

マツの心のくもりが少しずつ晴れてゆく・・・


(終わったことを何時までもくよくよしててはいけねー、武造はオラが嫌いで山に逃げたんではねー・・・)


幾分、積極的に自分の考えを調整したマツは、心が明るくなったことに気付いた。


(武造のオラを見る目に裏はねぇー、武造はオラと一緒におれることを喜んでるだー)

マツは、自分を見るときの武造の純真な目を見るたびに、自尊心が少しずつ回復していった。


あたり一面銀世界で、堅雪になっている上を大きな家が慎重に移動していく。

道と田んぼの境が分からないほどの平坦で、家は目的地に向けて田んぼの上も通っていった。


引っ越しも順調に進んでいると思っていた頃に、思わぬ状況に直面した・・・


「オラの田んぼの上を通るな!」

posted by junko at 13:21| Comment(0) | 新・武造とマツの物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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