「武造とマツの物語(新)」

【小説】 身体障害者に理解がない時代にマツは、幼少のとき親同士で決め

た「ろうあ者」との結婚のため養女にいく。偏見や逆境に遭いながらも前向きに生きていく。



2011年11月24日

新たな試練 第119回

(大きくて広い家だけど、柱磨きするところが多くなったず・・・)

マツはそう思いながら、大きな家の柱を眺めた・・

(柱磨き・・単調で退屈だ・・・)

そう思いながらも行商に行かない日は、柱磨きをする・・「くるみ油」での柱磨きはマツの仕事だった。

磨いた部分に“つやつや”と光沢がでてキレイになると満足感があった。

(この家は、オラたちの家だ!!生まれてくる子もこの家で育つんだ!オラが磨いたこの柱で、どんくらい背が伸びたか測るかもしれんなー♪)

生まれてくる子のために、家を大事にする意識が出てくる・・

そんなことを想像しながら柱を磨く・・・
すると自然とこの仕事も苦に感じなくなってくる。

単調で面白みのない柱磨きも、自分の見方を変えただけでやる気が出てくるマツだった。


(腹減ってきたなー・・)

そのころには、マツのつわりもおさまり食欲が出ていた。


一方、武造たちは、米作りの準備を始め、自分たちの家所有の田んぼでの米作りに精が出る。

一生懸命に働いてお腹がぺこぺこになった!

「ご飯の時間だ」とヨネの呼びかけに皆が食卓につく。

ヨネが言った
「皆、腹減ったべー、味噌汁おかわりして食べてけろ、でも、ご飯は節約しないといけねー、おかわりなしだ」

(えっ?おかわり出来ねーんだか・・?)

ご飯が大好きなマツにとって、これは一つの試練になった。

ヨネが言った
「引っ越しで予定していたより、金がかかってしまったんだ・・・だけど、米の収穫までは節約したらなんとか大丈夫だ」


(真っ白い、てんこ盛りのご飯が腹いっぱいに食べれる!♪)と聞いて、・・・それだけが魅力で養女に来たマツ・・・

養女に来てから、ご飯が食べれなくてひもじい思いをしたことは、一度もなかったマツ・・


そのマツが、ご飯を腹いっぱい食べることが出来ないという試練に直面した・・・。


(茶碗一杯だけじゃー足りねーず・・・ご飯、腹いっぱい食いてーー)


ラベル:新たな試練
posted by junko at 13:59| Comment(0) | 新・武造とマツの物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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